マイクの扱いについて

叩いたらダメ、ゼッタイ。

皆さんの身近な音響機器の中で三本の指に入るくらいポピュラーなものといえば、イヤホン(ヘッドホン)、マイク、スピーカーではないでしょうか。

今回は、そんな身近な音響機器マイクのお話。

マイクを使う場面になったとき、音が出るかどうかを確認するために、金属の網の部分を叩く方を見かけます。

実はこれ、音響の世界では王道の禁止事項でございます。

なぜマイクを叩いてはいけないのか

マイクというのは音を集音する機器ですが、少し難しく言うと、

声や音を出すことによって作られた、空気振動を電気に変換する装置です。

空気の振動程度の弱い振動で、電気を発生させる装置をバンバン叩いて、すごく振動させるということは、機械的にダメージを与えます。

また、大きな振動が発生するということは大きな音がミキサーに入力され、それがパワーアンプでさらに大きくなりスピーカーから出力されることになります。

スピーカーから出せる音量には限界がありますので、それを超えてしまうとスピーカーも破損します。

そして最悪、システム全体に影響がでてしまいます。

少し大げさではありますが、マイクを叩くという行為にはそれくらいのリスクが潜んでいるということでございます。

それと同じような行為で、マイクに息を「フッフッ」と、息を吹きかけて音が出るかを確認する場面もよく見かけます。

息を吹きかけるのもダメですよ。。

叩くよりはマシですが…。

我々音響屋はそんな場面に出くわした時、叩く音や息、咳払いなどでてもらいたくない音が、スピーカーからでないようにするためには、フェーダーに手をかけて構えています。

聞いていて気持ちのいい音ではないですからね。

お客様にもなるべく聞かせたくないです。

しゃべられる方がいきなりしゃべり出して、音がでなかったら恥ずかしいと思われて、こういった確認行為をされるのだと思います。

もしくは既にどこかで音が出なかった経験をされてらっしゃるとか。

舞台上に出られる時に「マイクのスイッチは入っていますので、そのまましゃべってくださいね」とお伝え出来る時は良いのですが、そうでなければお話をする方を信じるしかありません。

我々プロのオペレーターが付いてる時は、しゃべっているのにボリュームが絞られていて声がでないということは無いので、安心してしゃべってくださいね。

PA用のマイクは壊れにくい頑丈な物とはいえ、使われる方はぜひ優しく扱ってください。

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